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薬:解説。クロルプロパマイド(一般名)。アベマイド(商品名)

商品名、アベマイド。 代表的な、長時間作用型のSU剤。
chrolepropamide

 クロルプロパマイドは、長時間作用型のSU剤です。そのため、1日1回で、翌日まで効果が持続します。怖いのは低血糖だけです。ですから、1日1回の内服でよく、効果が持続して、強い血糖降下作用を維持できるメリットだけを考えれば、ビジネスマンにはうってつけの薬であることは間違いありません。
 クロルプロパマイドには、とっておきの副次作用があります。それは、アルコールに対して弱い体質にしてしまうことです。アルデヒド脱水素酵素という酵素がありますが、日本人の半分は、その酵素活性が高く、アルコールからできるアセトアルデヒドを分解しやすくなってしまう人が多いのです(第●章参照)。
 クロルプロパマイドは、その代謝物がアルデヒド脱水酵素の活性を抑えてしまいます。それによって体内のアセトアルデヒドがたまりやすくなり、顔面が紅潮したり、気分が不快になったりすることが増え、「アルコールに弱い体質」にしてしまうのです。
 アルコールの飲み過ぎで、糖尿病が悪化している人は日本人の男性では数多く見かけます。血糖コントロールの重要性は知っていても、どうしてもアルコールをやめられないために、いつも血糖コントロールが悪いという患者さんが本当に少なくないのです。

アルコール中毒ぎみの患者さんに処方すると著効をもたらす

  クロルプロパマイドは、SU剤では長時間作用するだけに低血糖になりやすく、糖尿病専門医でないとすぐには処方できしません。しかし筆者には、酒量が多く、自分では減らしたいのだがどうしても減らせないという患者さがいたら、積極的にこのクロルプロパマイドを処方します。すると、1ヶ月もたたないうちにお酒をひかえ、HbA1cが下がってきて、その後、HbA1cがなかなか上がりません。
 その後、何年もの間、HbA1cは低いままです。低血糖には注意していますが、少なくとも私の外来ではクロルプロパマイドを服用している患者さんには低血糖を起こす経験があまりありません。ひとつには、作用時間が長いために、ある時間にだけ強力にインスリンを分泌という機能が少ないのだと思います。ながながと、ゆっくり効いているのでしょう。
 低血糖になりにくいということは、ある時、急に血糖値が下がって、焦って、あわてて食物を口にいれる、というような衝動的な行動が減るということになります。

 

※ クロルプロパマイドを服用する時の注意点とは?

 

クロルプロパマイドは時として怖い副作用があります。まず、飲酒をやめる気がない人にとっては、飲酒をすると、かなり心臓がドキドキします。ですから、本当は節酒をしたくない人には、このクロルプロパマイドは処方するのは望ましくないのです。また、時に小水ができにくくなる場合があります。

 


特徴:医療格差の解消における、切り札。

 日本の医療費は莫大な金額にのぼっています。中でも薬品代に占める割合は大きいものです。政府は糖尿病治療薬に限らず、様々な分野の薬で後発品を使用するよう推奨していますが、なかなか実行されません。
 また、日本では所得格差がうまれ、医療費もなかなか払えない人たちも増えています。特に糖尿病の治療では、最近、新薬が軒並み販売されたこともあり、高い薬であるために服薬したくても服薬できない人も多いと思われます。
 こうした人たちにとって、クロルプロパマイドは切り札になります。SU剤としては、日本だけでなく欧米でも古い歴史があり、しかも良薬にもかかわらず薬価が安すぎるとの理由で新薬が市場から消えた薬です。効果は折り紙つきで、しかも後発品があり、価格も非常に安いというが大きなポイントです。もしどうしても医療費を節約しなくていけない2型糖尿病の方が本書の読者におられれば、一度、このクロルプロパマイド治療を主治医にご相談ください。
 古い薬なので使用経験がある医師は糖尿病専門医を長く経験がある医師以外にいないとは思いますが、一度、ご相談される価値はあるでしょう。少なくとも薬代を節約して、服薬しなかったり通院をしない患者さんにとっては、この情報は役立つのではないかと思います。