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GLP-1アナログ注射製剤 

GLP-1アナログ注射製剤について。


 糖尿病内服治療薬を色々試しても、どうしても血糖コントロールができない場合、インスリン注射療法をしている場合はぜひGLP-1アナログ注射薬剤治療への変更をお勧めします。
GLP-1注射薬もインスリン注射と同じく「注射」であり、身体に針を刺しますが「針の痛みは、想像する以上に痛くありません」。それよりも内服薬以上に顕著に効果が出るので、むしろ生活の質が向上することが多いです。
 特に、膵臓からインスリンがたくさん分泌されていて、インスリン濃度も高値である患者にとって1日4回(食前と就寝前)のインスリン治療は普通行われません。1日4回のインスリン注射をしている患者にはぜひ切り替えをお勧めします。担当主治医と相談してください。(ただし医師側にそれを切り替えられる技量と経験がある場合です。)
 インスリン治療から切り替えをする場合には、糖尿病専門医か、その医師がどのくらいの経験があるかなど医師に質問してみてください。
 切り替えをするにはそれなりの危険が伴います。日本でも死亡例が報告されています。ですから、私のクリニックでは原則外来で切り替え治療を行うことにしています。それも通院間隔は極めて短くし、最初の週は1週間に2回来院してもらうことにしています。
 このように、GLP-1注射薬は、プロフェッショナルな糖尿病専門医のもとで、その指示に従っておこなってください。それが最も大切なことです。

 

GLP-1注射薬とは?なぜ注射薬なのか?

 グルカゴン様ペプチド-1 (glucagon-like peptide-1, GLP-1) は ペプチドで、分子量が大きいので、直接体内にいれるには注射しかありません。本書では、GLP-1注射薬と略しますが、正確にはGLP-1受容体作動薬というのが正式の医薬品名称です。
 注射で体内に投与すると、DPP-4阻害剤よりも、はるかに高濃度のGLP-1の作用が期待できます。DPP-4阻害剤では、健常人の約2倍の濃度になりますが、GLP-1注射薬であれば、約8倍の濃度(正確には薬理学的濃度)になり、それだけ強くGLP-1が効いてくれるということになります。

 

GLP-1もDPP-4阻害剤も、血圧をさげる効果があります

 両薬剤ともHbA1cを下げる効果は強く、血圧を低下させる効果もあります。血圧をさげる作用は、DPP-4阻害剤では軽度に認められます。それに対しGLP-1注射薬ではかなり顕著に見られます。1日中満腹感が続くことが多いので、空腹感のイライラ感が減り、それによって血圧が低下するということが考えられます。

 

GLP-1注射薬の副作用と起こるタイミング


 GLP-1注射薬の悪心・嘔吐などの副作用は、最初の数週間が強いです。しかしその後は次第に改善していきます。全く悪心・嘔吐がない患者も、注射をしたその日から悪心・嘔吐が始まり数週間も続くという患者もいます。最初はそれほどでもないが、量を増やしていくとある量から突然副作用が起こる患者もいます。
 このような個人差がある理由は不明です。もともと暴飲暴食をしていて、胃の排泄が亢進していた患者ほど、胃の排出機能が正常になるだけなのでさほど副作用もが起きにくいのかもしれません。逆に、もともと食事制限・食事療法をしっかり行っていた患者ほど胃の排出は正常に近かったので、それを低下させることで副作用をより強くだしてしまうという理由からかもしれません。
また、頑固な便秘や下痢といった副作用も起こりやすいです。医師に相談し軟下剤か、下剤を処方してもらってください。便秘や下痢がひどく、社会生活に支障をきたす場合はGLP-1注射薬を断念せざるをえなくなるかもしれません。
 いずれにしても、注射を開始する時から副作用は必ず起こると念頭に置き治療を初めてください。

 

高齢者には勧めていません


 高齢者の場合には、食欲という欲そのものが人生の生きがいだったり、日々の健康を計っていく上でのバロメーターだったりすることが多いです。食欲が低下すると、それだけで周囲の人も心配したりします。例えば「それまで普通に食べていたご主人が、ある時から急に食べなくなってしまった」となると、奥様は癌ではないのだろうかと心配されるわけです。
 体重も同様です。急に体重が減ってくると、やはり他の病気もあるのではないか、とご本人も周囲も心配になることがあります。そういう状況が危惧される場合、私はGLP-1注射薬を薦めていません。たとえ過去に 低血糖昏睡になった患者でも、インスリンからの切り替えは原則行わない方針です。おそらくこれは、将来発売されるSGLT-2阻害剤についても同じことが言えるかもしれません。
ただしこれはあくまで原則です。例外もあります。私の外来では85歳をこえた患者でも要望があり、インスリン治療からGLP-1注射薬へと切り替えた例があります。この患者の場合はまったく副作用はなく、体重減少があっても心配はないという患者でした。今で薬も生き生きとGLP-1注射薬を継続しています。

 

このGLP1受容体作動薬(注射製剤)に分類される薬剤は、

 

1日2回、注射できる製剤の

バイエッタ

 

1日1回の注射製剤

ビクトーザ
リキスミア

 

1週間に1回の製剤
ビデュリオン

 

です。

 

 

 

 

 

 

 

 

過去の出版書籍、一覧
これまで出版した糖尿病関係の書籍は79冊

 

新刊書籍の裏話;書籍表紙

糖尿病の先端医療、SGLT2阻害剤、の服薬方法、最新の話題を集約した、日本で最初の一般書。鈴木医師の、累計240名以上の、患者さんを処方した処方経験が、この本に集約されています。

SGLT2阻害剤、さらに、週1回製剤のGLP1受容体作動薬について、医学ライターが、鈴木吉彦医師の原著をもとに、わかりやすく、しかし、かつ科学的に、かなり高度な視点から、かきなおした名著。インテリジェンスの高い読者の方々に、お勧めします。

DPP4阻害剤から、GLP1受容体作動薬、そして、SGLT2阻害剤、と、最新の治療を、わかりやすく解説しています。主婦の友社ならでは、の、イラストや、漫画のおおさで、他の書籍とは、まったく違った味わいがあり、図表などで、先端医療を理解したいと考えている方々にとっては、お勧めの書籍です。

鈴木吉彦医師は、日本医科大学の客員教授です。そのため、後輩の医師たちのための、教科書を作成しました。この作品は、某医学大学の研修者たちの教科書として、広く、活用されています。

 日本人にもっとも多い生活習慣病の一つ糖尿病の治療スタイルが、劇的に変わろうとしている。インスリン頻回注射中心の療法は過去のものとなり、まったく新しい治療薬が次々と登場。糖尿病臨床医師の第一人者が、最先端の新薬開発の現状を報告するとともに、患者の負担を軽くしながら治療効果を上げ、限りなく通常の生活者へと復帰させるための手立てを紹介する。

 糖尿病の検査値を劇的に改善し、合併症から救う「クレアチン」新薬。専門医が驚きの臨床データをもとに、わかりやすく解説する。

 知っておきたいこの病気のしくみや、心がけたい生活習慣を、わかりやすく解説。

 血糖値が体に及ぼす影響をはじめ、糖尿病にならないための生活改善ポイントを紹介。おいしく低カロリーな食事レシピも多数掲載

 


(左:朝日新書2010年4月発売)

 この本のタイトルをどうしようかと考えている時、決まりました!というメールが朝日新聞社から届きました。見てみたら、なんと「糖尿病は治る」でした。正直、筆者の私がびっくりでした。

 こんなタイトルにしたら、本当に糖尿病が完治すると思う患者さんが当クリニックに殺到してしまいパニックになるだろう、そうでなくても外来は本当に混んでいるのに、、と思って、変更をお願いしたのですが、時、既に遅しでした。

 それで、このタイトルの本当の主旨を「あとがき」に、しっかりとまとめました。この本は、朝日新聞社が優秀な医療専門ライターをつけてくれて、様々なプロフェッショナルの方々にも支援していただいて、丁寧に書き起こしてくれた名著だと思います。特にGLP1やDPP4阻害剤については、きわめて簡潔に要点をまとめていますので、私の外来では、GLP1誘導体を始める患者さんたちには、まず、必ずお勧めしようと思っている本です。

 ただし、治るとおもって暴飲暴食はしないように、もし、この本を読まれる方は、最後の「あとがき」の部分まで、しっかりとお読みください。

 現代の医療では、糖尿病が治るというレベルまでには到達していない。EBM(証拠に基づいた医療)や学会などできめたガイドラインなどに従って治療をすべきだという意見もあります。それはギリシャの哲学者:プラトーの考え方に似ています。
  それに対して、プラトーの弟子のアリストテレスは、個々の最善の目標は個々に設定すべきであり、ガイドラインで規定できるべきものではないと考えをまとめています。当院での医療方針は、アリストテレスの方針と似ています。目標とするHbA1cは5.8%以下です。

 

 


(保健同人社)(2010年1月発売)

「本当に糖尿病は不治の病なのだろうか」という疑問を表現するために、ギリシャの哲学家:ソクラテスのポーズを表紙にしました。また、糖尿病医療が新時代、新世代を迎えることを象徴するためにモデルは小学校3年生にしました。New Generationという意味をこめてみました。また、Surprise Medicationというのは筆者の造語です。驚くような処方という意味ですが、詳しくは外来でご説明いたします。

「本当に糖尿病は不治の病なのだろうか」という疑問を、今度は、本のタイトルに、そのまま表現しました。出版社からの依頼です。実際には、HDCアトラスクリニックでは、HbA1cが6%以下の患者さん達が増えています。HbA1cが5%台になり、例えば、5.5%以下になれば、糖尿病の合併症の進行が、極端に減少するはずです。当院では、HbA1c5%台は普通と言える外来を目指しています。その根拠となるのが、本書です。

 他にも、筆者のこれまで論文などで発表してきた新知見などが、沢山、盛り込んでいます。

 


 教育入院はしてみたいのだけれども、時間がないから入院できない、どうしよう、とお悩みの方には、この2冊の書籍をお薦めいたします。糖尿病の食事をつくる本は、院長が東京都済生会中央病院で教育入院担当で、教鞭をふるっていた時をイメージして、書籍の上で、同じような効果が得られないだろうかと考えながら作成した実験的な本です。教育入院さながらの医師や栄養士と、患者さんとの会話がでてきます。

 

 

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ADH2遺伝子:世界初
(Neurologyに掲載)

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ミトコンドリア遺伝子代表論文

核遺伝子との相関を発見
(世界初;Diabetes Care)

 

3264変異遺伝子を発見
(Diabetes Care)

 

 

指尖外SMBGを世界で最初に提案

 

Suzuki Y. Painless blood sampling for self blood glucose measurement: Lancet 339巻: 816-817頁, 1992年

 

他、Diabetes Care 1998

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