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インスリン注射製剤 

インスリン注射補充療法について。適応と外来導入。


 インスリン療法の適応がある場合を整理してみます。
1)血糖コントロールが食事療法や経口血糖降下剤では不十分な場合
2)様々な合併症(感染症など)や糖尿病性合併症(網膜症、神経障害、腎臓障害)の予防に必要と判断される場合
3)重症疾患や大手術などの状態で、一時的に高血糖になる場合
4)妊娠などを前提にして、血糖コントロールが極めて良好にしておきたい時
5)GLP-1注射薬などでは効果不十分である
などです。
   インスリンはGLP-1誘導体治療の補充療法として考えられるだろうと思います。ビクトーザやバイエッタの量、あるいは新薬として発売される次のGLP-1誘導体注射製剤の量を調整し、それでも悪心、嘔吐がある場合には減量する必要があります。その場合、血糖コントロールが悪化するのでその時にインスリンを補充治療として追加することが普通になるでしょう。

 

「インスリン注射をやめてみましょう」が当然

DPP-4阻害剤やSGLT-2阻害剤が利用できると、血糖コントロールは容易になり良好になります。そのため、インスリン注射療法まで到達する患者さんの数は激減するでしょう。つまり「インスリン注射もいらない」、「インスリン注射をやめてみましょう」という言葉は、糖尿病治療においては当然の台詞になっていくことでしょう。

 

外来でのインスリン導入が普通に

 「昔はインスリン治療を始めるための入院」というのがありましたが、GLP-1注射療法が普及してくると低血糖の危険が少ないので入院をする必要がなく、外来で導入することできます。既に私の外来では80人以上の糖尿病患者が、外来でGLP-1注射療法の導入に成功しています。入院を必要とした人はいませんでした。ですから、その上でインスリンを少量から補充していくという考え方になれば、外来でのインスリン導入はさらに容易になっていくはずです。

 

最後の晩餐に注意

 インスリン注射を始めることを医師側は「インスリン導入」と言います。この時に注意しなくてはいけないのは、入院する直前に患者さんが「最後の晩餐」をする可能性です。つまり、これから入院するのだから、食事も自由に食べられなくなる。いっそのこと入院直前に好きなものを好きなだけ食べてしまおうと考え、過度の食事摂取をしてしまうことです。そうすると、入院時の血糖値は400とか500など極めて高値になってしまいます。
 しかしGLP-1療法が普及すると、インスリン導入が簡単になり、入院期間も短くなるはずです。つまり、従来の治療であれば1週間から2週間と考えていた入院も、インスリン導入の目的だけで3,4日と短めに設定してしまうでしょう。そうなった時、最後の晩餐をした状態でインスリン導入をするということになり、多量のインスリンが導入されます。その結果、日常生活に戻った時に、過剰なインスリンが補充されていることになり、低血糖を起こす可能性が高くなり注意が必要です。

 

頻回インスリン療法は、古い療法に


 2型糖尿病における頻回インスリン少量療法を標準治療と思っている若い医師も多いようです。しかし、世界の潮流は違います。一週間に一回のGLP-1注射薬が発売されると、頻回インスリン注射療法は苦痛な治療にしか思えなくなるでしょう。また、インスリン注射療法によって食後高血糖を抑制するだけでは弊害があることは大規模臨床試験などでも周知の事実になってきたので、インスリン注射治療を積極的に推進する医師もどんどん減っていくことでしょう。
 私は1987年からインスリン注射の回数は減らす方向で考えていました。これまでにそれに慣れてしまっている患者は別としても、2011年以降、新たにインスリン注射を導入しようと考えている患者に対して「頻回インスリン療法は古い治療です」と言うでしょう。

 

インスリンをやめられる患者たち


 私の外来でも、インスリンをやめたい患者が沢山います。特に多いのは、本来インスリン治療が必要でない患者、少量のインスリンを頻回に注射している患者、清涼飲料水症候群と言われるあきらかに一過性の高血糖だけでインスリン治療を始めた患者たちです。また、高血糖なのですぐにインスリン注射をした、他の内服薬は試した事がない、などと言われる糖尿病患者たちです。
 今インスリン治療を受けている方は、「最初にインスリンを始めた時期は、どういう時期だっただろう?」と思い出してみてください。
 その時十分な説明がなく、突然インスリン治療しかありませんと言われインスリン注射を始め、そのまま継続していたとしたら今まさに見直すチャンスかもしれません。
 本書を手にしたことがそのきっかけとなって糖尿病新薬への切り替えが成功すれば、将来「低血糖」という言葉から解放され、人生が大きく変わるでしょう。

 

 

このインスリン注射製剤に分類される薬剤は、

 

アビドラ
ノボラピッド
ヒューマログ
ランタス
トレシーバー
レベミル

 

です。


 

 

 

過去の出版書籍、一覧
これまで出版した糖尿病関係の書籍は79冊

 

新刊書籍の裏話;書籍表紙

糖尿病の先端医療、SGLT2阻害剤、の服薬方法、最新の話題を集約した、日本で最初の一般書。鈴木医師の、累計240名以上の、患者さんを処方した処方経験が、この本に集約されています。

SGLT2阻害剤、さらに、週1回製剤のGLP1受容体作動薬について、医学ライターが、鈴木吉彦医師の原著をもとに、わかりやすく、しかし、かつ科学的に、かなり高度な視点から、かきなおした名著。インテリジェンスの高い読者の方々に、お勧めします。

DPP4阻害剤から、GLP1受容体作動薬、そして、SGLT2阻害剤、と、最新の治療を、わかりやすく解説しています。主婦の友社ならでは、の、イラストや、漫画のおおさで、他の書籍とは、まったく違った味わいがあり、図表などで、先端医療を理解したいと考えている方々にとっては、お勧めの書籍です。

鈴木吉彦医師は、日本医科大学の客員教授です。そのため、後輩の医師たちのための、教科書を作成しました。この作品は、某医学大学の研修者たちの教科書として、広く、活用されています。

 日本人にもっとも多い生活習慣病の一つ糖尿病の治療スタイルが、劇的に変わろうとしている。インスリン頻回注射中心の療法は過去のものとなり、まったく新しい治療薬が次々と登場。糖尿病臨床医師の第一人者が、最先端の新薬開発の現状を報告するとともに、患者の負担を軽くしながら治療効果を上げ、限りなく通常の生活者へと復帰させるための手立てを紹介する。

 糖尿病の検査値を劇的に改善し、合併症から救う「クレアチン」新薬。専門医が驚きの臨床データをもとに、わかりやすく解説する。

 知っておきたいこの病気のしくみや、心がけたい生活習慣を、わかりやすく解説。

 血糖値が体に及ぼす影響をはじめ、糖尿病にならないための生活改善ポイントを紹介。おいしく低カロリーな食事レシピも多数掲載

 


(左:朝日新書2010年4月発売)

 この本のタイトルをどうしようかと考えている時、決まりました!というメールが朝日新聞社から届きました。見てみたら、なんと「糖尿病は治る」でした。正直、筆者の私がびっくりでした。

 こんなタイトルにしたら、本当に糖尿病が完治すると思う患者さんが当クリニックに殺到してしまいパニックになるだろう、そうでなくても外来は本当に混んでいるのに、、と思って、変更をお願いしたのですが、時、既に遅しでした。

 それで、このタイトルの本当の主旨を「あとがき」に、しっかりとまとめました。この本は、朝日新聞社が優秀な医療専門ライターをつけてくれて、様々なプロフェッショナルの方々にも支援していただいて、丁寧に書き起こしてくれた名著だと思います。特にGLP1やDPP4阻害剤については、きわめて簡潔に要点をまとめていますので、私の外来では、GLP1誘導体を始める患者さんたちには、まず、必ずお勧めしようと思っている本です。

 ただし、治るとおもって暴飲暴食はしないように、もし、この本を読まれる方は、最後の「あとがき」の部分まで、しっかりとお読みください。

 現代の医療では、糖尿病が治るというレベルまでには到達していない。EBM(証拠に基づいた医療)や学会などできめたガイドラインなどに従って治療をすべきだという意見もあります。それはギリシャの哲学者:プラトーの考え方に似ています。
  それに対して、プラトーの弟子のアリストテレスは、個々の最善の目標は個々に設定すべきであり、ガイドラインで規定できるべきものではないと考えをまとめています。当院での医療方針は、アリストテレスの方針と似ています。目標とするHbA1cは5.8%以下です。

 

 


(保健同人社)(2010年1月発売)

「本当に糖尿病は不治の病なのだろうか」という疑問を表現するために、ギリシャの哲学家:ソクラテスのポーズを表紙にしました。また、糖尿病医療が新時代、新世代を迎えることを象徴するためにモデルは小学校3年生にしました。New Generationという意味をこめてみました。また、Surprise Medicationというのは筆者の造語です。驚くような処方という意味ですが、詳しくは外来でご説明いたします。

「本当に糖尿病は不治の病なのだろうか」という疑問を、今度は、本のタイトルに、そのまま表現しました。出版社からの依頼です。実際には、HDCアトラスクリニックでは、HbA1cが6%以下の患者さん達が増えています。HbA1cが5%台になり、例えば、5.5%以下になれば、糖尿病の合併症の進行が、極端に減少するはずです。当院では、HbA1c5%台は普通と言える外来を目指しています。その根拠となるのが、本書です。

 他にも、筆者のこれまで論文などで発表してきた新知見などが、沢山、盛り込んでいます。

 


 教育入院はしてみたいのだけれども、時間がないから入院できない、どうしよう、とお悩みの方には、この2冊の書籍をお薦めいたします。糖尿病の食事をつくる本は、院長が東京都済生会中央病院で教育入院担当で、教鞭をふるっていた時をイメージして、書籍の上で、同じような効果が得られないだろうかと考えながら作成した実験的な本です。教育入院さながらの医師や栄養士と、患者さんとの会話がでてきます。

 

 

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脳梗塞原因遺伝子発見(特許取得)

ADH2遺伝子:世界初
(Neurologyに掲載)

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ミトコンドリア遺伝子代表論文

核遺伝子との相関を発見
(世界初;Diabetes Care)

 

3264変異遺伝子を発見
(Diabetes Care)

 

 

指尖外SMBGを世界で最初に提案

 

Suzuki Y. Painless blood sampling for self blood glucose measurement: Lancet 339巻: 816-817頁, 1992年

 

他、Diabetes Care 1998

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DPP4阻害剤

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SGLT2阻害剤

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