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SGLT-2阻害剤療法 

SGLT2阻害剤は、著効すれば、一石五鳥のメリットをもつ「魔法の新薬」


 体重も減り、血糖値も下がる。SGLT-2阻害剤は、朝の血糖値を130mg/dl以下に安定させます。HbA1cも下がります。副作用も少なく、多少水を飲む量が増え、排尿が増えるだけです。
努力しないでエネルギーを放出することから「自然なダイエット」をしている気持ちになります。自分としては、さほど食事療法や運動療法に対して努力したつもりがないのに、自然とエネルギーを体外に放出するため、その結果、血糖値が下がり血糖コントロールが良好になり、体重も減っていく、という2つの現象が同時に起こってきます。この2つの特徴だけを考えると、肥満が原因で糖尿病を起こした患者にとっては「魔法の薬」のようです。
 唯一の欠点は、食べても血糖値が上がらないため、患者が安心して食事療法を守らなくなってしまう可能性があることです。ちょっとしたつまみ食いに、ブレーキがかからなくなってしまう可能性があります。身体がエネルギー(特にブドウ糖)を欲してしまうため、過食傾向になるかもしれません。

 

SGLT-2は、何をしているのでしょうか?


SGLT-2とは、“Sodium-Glucose co-Transporter type 2”を略したものです。日本語では「ナトリウム・ブドウ糖共輸送担体2」などと略します。
血液はまず腎臓の毛細血管の塊である糸球体からろ過され、尿の原料「原尿」になります。さらにこの原尿が「尿細管」を流れる間に必要な成分は再び血液中に吸収され、逆に不要な成分はさらに分泌されて尿となります。
この複雑な処理を行うおかげで、血液成分を一定にすることが出来きます。この作業を「再吸収」と言います。ブドウ糖だけでなくナトリウムなども再吸収され、身体に大切な物質ほどこの再吸収で身体に戻されます。
 SGLT-2はこの「尿細管」に存在していて、体外へ排出されようとしているブドウ糖などを、もったいない,もう一度体の中で使わせてください、といって体の中に再度吸収する働きをしています。

 

SGLT-2阻害剤


 阻害剤とはDPP-4阻害剤の時にもお話しましたが、ある機能の邪魔をする薬剤のことです。ですから、SGLT-2阻害剤はブドウ糖の再吸収を阻止し、尿と一緒に体外に排出し血糖値を下げる薬剤です。いくら飲んでも、食べても体内に取り込んだ余分な糖を排出してくれるという薬剤です。

 

 

SGLT-2阻害剤は糖尿病治療の第一選択薬剤ではない!

 

 なぜDPP-4阻害剤やメトフォルミンの後なのか? 当院では、原則として、SGLT-2阻害剤を糖尿病治療の第一選択薬剤にしない方針です。それは、一石5鳥もの作用があるため、「特効薬すぎる」ということです。この薬さえ服用すれば自然に血糖値が下がり、食事療法も運動療法も怠ってしまう人が増えてしまうのではないかという心配からです。5鳥というのは、1:血糖値が下がる。2:HbA1cが下がる。3:体重が下がる。4:血圧が下がる。5:尿酸値が下がる。という、5つのメリットが確実に認められるからです。その分、他の薬も不要だと思う人もでてくるかもしれません。

 そうなると、まじめに通院する患者さんが減り、薬だけをもらいにくるだけの通院患者さんだけになってしまいます。糖尿病専門医が必要でなくなり、非専門医でも簡単に血糖値を下げることができてしまいます。それが本当に正しいのか、それが医師や患者の油断をさそい、別の疾患を発症する引き金になってしまわないか心配され、また議論すべき問題です。

 

遺伝的に腎性糖尿の人がいる


 腎性糖尿とは、血糖値が正常でありながら尿に糖が出てしまう状態のことです。これは、腎臓の尿細管でのブドウ糖を再吸収する働きが低いことが原因です。
 腎性糖尿は糖尿病ではありません。年齢が若い人が、血糖値は正常なのに尿糖がでてしまうことが多く、生まれつきの体質であることが多いとされています。1日100gもの尿糖が排泄されているが、健康に暮らしている人たちもいます。そうした人でも腎臓機能障害が起こらないことから、SGLT-2阻害剤が腎臓へ与える影響は少ないだろうと考えられています。現在のところ、SGLT-2阻害剤が腎機能を悪化させる報告はないようです。ですから、安心して服用できる薬剤として市場に登場しそうです。

(参考文献。Oemar BE, et al.Complete absence of tubular glucose reabsorption: a new type of renal glucosuria. Clin Nephrol 27: 156-160, 1987)

 

1型糖尿病への応用も、可能かもしれません


SGLT-2阻害剤は腎臓の尿細管に働きかけるだけで、腎臓機能を悪化させません。また、インスリンの有無とは関係なく作用します。そうなると、SGLT-2阻害剤はインスリンの分泌がほとんどなく、高血糖状態を継続している1型糖尿病にも応用ができる可能性があります。
 膵臓のβ細胞を破壊した動物実験でも、SGLT-2阻害剤により随時血糖値(絶食しない時に、随時、測定した血糖値のこと)や、絶食時の血糖値もともに低下し、8週間のHbA1cの観察でも改善することが報告されています。

 

2型糖尿病では、インスリンの分泌能を改善する


 SGLT-2阻害剤を使用すると、尿に糖を排泄します。その分膵臓からインスリン分泌をしなくてはいけないという負担は減ります。そのため、膵臓のインスリン分泌機能は改善することが動物実験でも報告されています。

 

尿量の増加は?頻尿になることは?


 動物実験では、尿量の増加は認められないという報告がありますが、HbA1cが高い人ほど水分を多く取り、尿量を増やし、体内にたまった余分な血糖値を尿に排出します。その意味は、血糖コントロールがよい人ほど尿量はさほど増えません。逆に、血糖コントロールが悪い人ほど尿量は増え、頻尿になります。なお、頻尿は夏のほうが少なく、寒くなると頻尿になりやすいので、頻尿が気になるなら、夏からSGLT2阻害剤を服用しはじめたほうが、気にならないでしょう。

 

高血糖ほどよくききます(血糖応答性の作用があります)


 高血糖になると、SGLT-2阻害剤は尿糖を排泄します。血糖値が200mg/dl以上になる状態では、尿量は多量になり、血糖値上昇を抑制する作用が著しく発揮されます。
 しかし正常血糖値にはSGLT-2阻害剤を服用していても尿糖はでてきません。その意味ではDPP-4阻害剤と同様、血糖値にあわせて血糖コントロールをしてくれるという便利な側面があります。
 この薬の主たる作用は、余分な血糖を尿糖として体外に排泄するだけ、です。ですから、副作用の心配も少なく他の臓器に与える影響も少ないと考えられます。結果的に、血糖コントロールを改善することで インスリン抵抗性を改善する働きがあり、肝臓でのブドウ糖の生成を抑制するなど動物実験などで報告されています。

 

苦労しないダイエット、ができる薬?


 SGLT-2阻害剤は、エネルギーを貯蔵せず、放出させる薬剤です。それにより体重が減り、 脂肪肝が改善します。つまりダイエットと同じです。すると、体内のエネルギーが枯渇状態になりますから、脂肪が分解された結果、ケトン体が増加してくるかもしれません。ただし、体重が減るのは、もともと高血糖がある糖尿病の患者さんだけです。血糖値が高くない、健常人がSGLT2阻害剤を服用すると、単なる「腹がへるだけの薬剤」になり、過食になり、体重が増えてしまうことも多々あります。ですから、健康な人には、苦労しないダイエット薬剤には、なりません。 

 

これまでの薬は体内にエネルギーを蓄える作用 


 SGLT-2阻害剤に対してこれまでの薬、SU剤、ピオグリタゾンなどはエネルギーを体内で増加させる薬剤です。ですから、体重が増加します。インスリン注射もそうです。これまでの薬はエネルギーを無駄にしないことが大原則でした。しかし、SGPT-2阻害剤はその大原則を覆す画期的な薬剤です。エネルギーの無駄使いを許してしまう薬といっていいです。

 

体内の維持力バランスを崩す薬 


 SGLT-2阻害剤は血糖値180mg/dlの時に再吸収する働きを、血糖値130mg/dlの時に再吸収させる薬です。体内の維持力バランスを崩す薬といえるでしょう。
 この変更によって体内の ホメオスターシスがもし多少狂ったとしても、糖尿病の治療において本質的な体質改善治療薬であることは間違いありません。
 このホメオスターシスが壊れることに抵抗があるなど、今後、糖尿病治療はその人の価値観の問題も関わってくるかもしれません。医師の処方権が患者側に渡り、患者が自分自身で飲む薬を選択していくという将来もそう遠くはありません。
     

αグルコシダーゼ阻害剤とSGLT-2阻害剤との違い


 αグルコシダーゼ阻害剤は、腸管内でブドウ糖の吸収を遅らせるだけで、吸収自体を阻害するわけではありません。ですから、エネルギーを放出するわけではなく、ダイエットには繋がりません。それに対し、SGLT-2阻害剤は、エネルギーを放出するのでダイエットに繋がります。同じブドウ糖の吸収を阻害する薬剤でも、作用も効果も異なります。

 

糖尿病になる原因が、SGLT-2の再吸収である場合もある


一部の遺伝的な糖尿病の患者では、SGLTやGLUTというブドウ糖を運ぶ役割の機能が、体内へのブドウ糖の吸収を促進させます。GLUTというのは、一般読者は覚えておく必要がありませんが、糖質を体内の細胞の中に移動させる時に大切なものです。
 SGLT-2阻害剤を内服することで糖尿病の原因を絶ちきるということになります。糖尿病が治る、という言葉も嘘ではなくなります。

 

合併症の改善も期待できます


 DPP-4阻害剤を内服して血糖コントロールができると、私の外来では糖尿病の合併症をもつ患者が激減しました。おそらくSGLT-2阻害剤が将来日本で発売されると,合併症の減少が認められるでしょう。
特に、SGLT-2阻害剤は急激な血糖コントロールが期待できる薬です。DPP-4阻害剤の時にも同じような現象が認められましたが、例えば糖尿病末梢神経障害などの改善が顕著に認められることが予想されます。

 

血糖値が150mg/dl以上から以下になると、神経合併症が改善される


 以前に私は糖尿病性神経障害が起こりやすくなるか、改善するかどうかの臨界点は空腹時の血糖値が150mg/dl前後であることを、日本糖尿病学会雑誌「糖尿病」に投稿しています。空腹時の血糖値が150mg/dl以上から150mg/dl未満になると、末梢神経障害を推定する神経伝導速度は、たった2週間という短い期間で、改善を認めたという報告をしています。これはSGLT-2阻害剤が、神経障害や、その他の合併症に対して大きな影響力を及ぼし、改善できる薬である証拠になるでしょう。
 日本において短期間で神経障害の改善を臨床的に報告したのは、20年前では私たちの報告が世界で最初でした。もしSGLT-2阻害剤が発売されたらこの新薬を用いて同じような報告がたくさん報告されることが予測されます。

(脚注;参考文献。鈴木吉彦, 松岡健平.血糖コントロールと神経伝導速度. 糖尿病33巻2号 :143頁-146頁、1990年)

 

●SGLT-2阻害剤は腎臓に作用するので、腎臓機能を悪化させることはないのか?
 糖尿病で高血糖が続くと糖尿病腎症がおこり、尿中には 微量アルブミンが排出されるなど、次第に腎臓の機能が低下していきます。SGLT-2阻害剤は、糖尿病によって腎臓にもたらされる悪影響を改善することが、動物実験で確証されています。ですから、SGLT-2阻害剤は腎臓に作用する薬だから危険ではなく、腎臓に作用する薬だから安全と考えることができるのです。腎臓を保護し、その機能を守ってくれる新薬なのです。

 

SGLT-2阻害剤の副作用


 SGLT-2阻害剤は尿中にブドウ糖を排出する作用があるので、医師は水分を多く取ってくださいと指示し、そのためトイレが近くなります。そのためトイレに行く回数が増え、頻尿になりますが、薬がよく効いている証拠なので嬉しい作用だと思える人もいるはずです。車や電車などに乗る時には不便ですが、そういう時はあらかじめ飲む水分の量を減らしておけば良いです。慣れてくれば、日常生活の質を低下させるような頻尿にはならないはずです。
 ただし個人差があります。膀胱炎を繰り返している女性にとっては症状が似ています。また前立腺肥大の症状がある男性は頻尿になりやすくやっかいな副作用です。
高血糖であればあるほど頻尿になりやすいので、血糖コントロールができてくるまでは頻尿を避ける事を優先させるか、まずは血糖コントロールを優先させるのかという選択にせまられ迫られることもあるでしょう。
 他には、水を沢山飲むようになり、それにより頻尿になるので、あたかも利尿剤を飲んでいるような状態になることがあるでしょう。そうなると尿量が多すぎてカリウムが大量に排泄され、低カリウム血症になるかもしれません。ですから、医師から処方をうける時には、定期的に採血をしてカリウム値を検査するようにし、もし低カリウム血症になるようであればカリウムを補充するような薬を内服したり、食材でカリウムが摂取する工夫が必要だと考えられます。
SGLT-2阻害剤の用量を増やしていけばいくほど、尿糖の排泄量も増えます。また尿中に沢山のブドウ糖が排出されているので、尿が甘い匂いがすると思う患者さんも増えてくることでしょう。
 女性は泌尿器周囲にブドウ糖がつきやすく、膀胱炎を起こすことがあります。ただし、600名の女性糖尿病患者さんを対象にした 前向き試験において、尿糖が尿路感染症のリスクを増加させなかったことも報告されています。
 また、ペニスや外陰部にかゆみや痛みが伴う場合もあります。その場合すぐに医師に相談し、適切な抗生剤治療を受けてください。
SGLT-2阻害剤は脱水にならないように注意しなくてはいけません。熱中症を起こしやすい真夏は要注意です。どんな季節でもSGLT-2阻害剤を服用している間はできるだけ沢山の水分を取る必要があります。そのため多尿、頻尿になりやすいです。
 

DPP-4阻害剤やGLP-1注射薬との組み合わせや、速効型インスリン分泌促進薬との組み合わせが、望ましいでしょう


 低血糖を起こさずに、食後高血糖を抑制してくれるという意味では、DPP-4阻害剤やGLP-1注射薬が適役です。しかし、この2剤だけでは早朝空腹時血糖値を抑えてはくれません。そこにSGLT-2阻害剤を追加できれば、早朝空腹時血糖値の安定はSGLT-2阻害剤に、食後高血糖はインクレチン製剤にまかせるというような役割分担ができます。
 あるいは、SGLT-2阻害剤を最初に服用していてそれでも血糖コントロールが十分でなかった場合には、SU剤との併用も大丈夫ですが、速効型インスリン分泌促進薬との併用であればより安全です。
 SGLT-2阻害剤、あるいはDPP-4阻害剤とSGLT-2阻害剤で、非常に血糖コントロールが改善したとします。その場合、そこにSU剤や速効型インスリン分泌促進薬のような膵臓からインスリンを分泌させる薬剤を併用すると、低血糖を起こす危険性があります。速効型インスリン分泌促進薬(例えば、スターシスやグルファストなど)あるいは、グルベス(速効型インスリン分泌促進薬とαグルコシダーゼ阻害剤との合剤)であればかならず食事とペアで内服しますから、SU剤よりも低血糖になりにくく安心です。

 

 

 

インスリン注射をやめられる患者さんも増えるでしょう


 大量のインスリン治療とインスリン抵抗性改善薬を使用中の糖尿病患者さんに、SGLT-2阻害剤を併用すると、インスリン使用量が平均50%低下することも報告されています。ですから、少量のインスリン治療を行っている糖尿病患者さんであれば、インスリン注射を止められる可能性もあります。

(脚注;Diabetes Care 32:1656−1662,2009)

 

 

●抗肥満作用を主たる目的に
 糖尿病患者で肥満であれば、まずSGLT-2阻害剤を処方するのが第一選択薬剤になるでしょう。また、メトフォルミンの大量投与も体重減少をおこします。注射が嫌でなければ、GLP-1注射薬(バイエッタ)、リキスミア、ビデュリオンでも、体重を減らすことができます。
 メトフォルミンは、食欲低下や悪心・脱力感などを伴います。バイエッタは注射をしなくてはいけないので精神的、心理的負担が大きいです。
こういった消化器症状などに異常が起こらないという意味で、SGLT-2阻害剤は最も安心して、楽に体重を減らせる抗肥満薬と言えます。ですからSGLT-2阻害剤は、肥満を伴う糖尿病患者に対してDPP-4阻害剤よりも、より優先して内服したほうがよいと言える薬です。
                       

困ったデメリットは「治った」と誤解してしまう「油断」


 SGLT-2阻害剤は体重が減り、HbA1cが下がり、空腹時血糖値が下がります。患者の中には血糖自己測定を行っており、朝の血糖値がいつも一定になったので自己測定をやめてしまった患者もでてくることでしょう。低血糖にならないし、HbA1cも改善すればわざわざ指に針をさして血糖値を測定するきにもならないのは当然です。
 そして毎月クリニックにいってHbA1cを測定し、それが改善していて、かつ、体重が減ったということになると誰でもが安心してしまうことになります。
 もう食べても安心だと思い、ついつい食べてしまうこともあるでしょう。体重が減るなら、もう大丈夫!と思って、ついつい過食をしてしまうこともあるでしょう。そうなると、他の糖尿病治療薬と同じように、二次無効が起こらないとはかぎりません。かえって二次無効を引き起こしやすくなる可能性もあります。それは、これからの課題といえるのです。
 そうならないように私のクリニックでは、SGLT-2阻害剤を服用して体重が減って、安心してしまった患者さんには、管理栄養士に会っていただいて栄養相談を受けてもらうように考えています。

 

 

このSGLT2阻害剤に分類される薬剤は、

 

スーグラ
フォシーガ
ルセフィ
アプルウエイ
デベルザ
カナグル
ジャディアンス

 

です。

 

 

 

 

過去の出版書籍、一覧
これまで出版した糖尿病関係の書籍は79冊

 

新刊書籍の裏話;書籍表紙

糖尿病の先端医療、SGLT2阻害剤、の服薬方法、最新の話題を集約した、日本で最初の一般書。鈴木医師の、累計240名以上の、患者さんを処方した処方経験が、この本に集約されています。

SGLT2阻害剤、さらに、週1回製剤のGLP1受容体作動薬について、医学ライターが、鈴木吉彦医師の原著をもとに、わかりやすく、しかし、かつ科学的に、かなり高度な視点から、かきなおした名著。インテリジェンスの高い読者の方々に、お勧めします。

DPP4阻害剤から、GLP1受容体作動薬、そして、SGLT2阻害剤、と、最新の治療を、わかりやすく解説しています。主婦の友社ならでは、の、イラストや、漫画のおおさで、他の書籍とは、まったく違った味わいがあり、図表などで、先端医療を理解したいと考えている方々にとっては、お勧めの書籍です。

鈴木吉彦医師は、日本医科大学の客員教授です。そのため、後輩の医師たちのための、教科書を作成しました。この作品は、某医学大学の研修者たちの教科書として、広く、活用されています。

 日本人にもっとも多い生活習慣病の一つ糖尿病の治療スタイルが、劇的に変わろうとしている。インスリン頻回注射中心の療法は過去のものとなり、まったく新しい治療薬が次々と登場。糖尿病臨床医師の第一人者が、最先端の新薬開発の現状を報告するとともに、患者の負担を軽くしながら治療効果を上げ、限りなく通常の生活者へと復帰させるための手立てを紹介する。

 糖尿病の検査値を劇的に改善し、合併症から救う「クレアチン」新薬。専門医が驚きの臨床データをもとに、わかりやすく解説する。

 知っておきたいこの病気のしくみや、心がけたい生活習慣を、わかりやすく解説。

 血糖値が体に及ぼす影響をはじめ、糖尿病にならないための生活改善ポイントを紹介。おいしく低カロリーな食事レシピも多数掲載

 


(左:朝日新書2010年4月発売)

 この本のタイトルをどうしようかと考えている時、決まりました!というメールが朝日新聞社から届きました。見てみたら、なんと「糖尿病は治る」でした。正直、筆者の私がびっくりでした。

 こんなタイトルにしたら、本当に糖尿病が完治すると思う患者さんが当クリニックに殺到してしまいパニックになるだろう、そうでなくても外来は本当に混んでいるのに、、と思って、変更をお願いしたのですが、時、既に遅しでした。

 それで、このタイトルの本当の主旨を「あとがき」に、しっかりとまとめました。この本は、朝日新聞社が優秀な医療専門ライターをつけてくれて、様々なプロフェッショナルの方々にも支援していただいて、丁寧に書き起こしてくれた名著だと思います。特にGLP1やDPP4阻害剤については、きわめて簡潔に要点をまとめていますので、私の外来では、GLP1誘導体を始める患者さんたちには、まず、必ずお勧めしようと思っている本です。

 ただし、治るとおもって暴飲暴食はしないように、もし、この本を読まれる方は、最後の「あとがき」の部分まで、しっかりとお読みください。

 現代の医療では、糖尿病が治るというレベルまでには到達していない。EBM(証拠に基づいた医療)や学会などできめたガイドラインなどに従って治療をすべきだという意見もあります。それはギリシャの哲学者:プラトーの考え方に似ています。
  それに対して、プラトーの弟子のアリストテレスは、個々の最善の目標は個々に設定すべきであり、ガイドラインで規定できるべきものではないと考えをまとめています。当院での医療方針は、アリストテレスの方針と似ています。目標とするHbA1cは5.8%以下です。

 

 


(保健同人社)(2010年1月発売)

「本当に糖尿病は不治の病なのだろうか」という疑問を表現するために、ギリシャの哲学家:ソクラテスのポーズを表紙にしました。また、糖尿病医療が新時代、新世代を迎えることを象徴するためにモデルは小学校3年生にしました。New Generationという意味をこめてみました。また、Surprise Medicationというのは筆者の造語です。驚くような処方という意味ですが、詳しくは外来でご説明いたします。

「本当に糖尿病は不治の病なのだろうか」という疑問を、今度は、本のタイトルに、そのまま表現しました。出版社からの依頼です。実際には、HDCアトラスクリニックでは、HbA1cが6%以下の患者さん達が増えています。HbA1cが5%台になり、例えば、5.5%以下になれば、糖尿病の合併症の進行が、極端に減少するはずです。当院では、HbA1c5%台は普通と言える外来を目指しています。その根拠となるのが、本書です。

 他にも、筆者のこれまで論文などで発表してきた新知見などが、沢山、盛り込んでいます。

 


 教育入院はしてみたいのだけれども、時間がないから入院できない、どうしよう、とお悩みの方には、この2冊の書籍をお薦めいたします。糖尿病の食事をつくる本は、院長が東京都済生会中央病院で教育入院担当で、教鞭をふるっていた時をイメージして、書籍の上で、同じような効果が得られないだろうかと考えながら作成した実験的な本です。教育入院さながらの医師や栄養士と、患者さんとの会話がでてきます。

 

 

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ミトコンドリア遺伝子代表論文

核遺伝子との相関を発見
(世界初;Diabetes Care)

 

3264変異遺伝子を発見
(Diabetes Care)

 

 

指尖外SMBGを世界で最初に提案

 

Suzuki Y. Painless blood sampling for self blood glucose measurement: Lancet 339巻: 816-817頁, 1992年

 

他、Diabetes Care 1998

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