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薬:解説。アナグリプチン(一般名)。スイニー(商品名)

商品名、スイニー。 1日2回タイプのDPP-4阻害薬
suiny

 

 DPP-4阻害薬のひとつです。1日2回朝夕に100mg錠1錠を服用することで24時間にわたってインクレチンの分解を行うDPP-4を強力に阻害し、朝食前から夕食後、夜間にわたって血糖を低下させます。1日2回ということから、メトホルミンと非常に相性がよいお薬です。また、効果が小さい場合には増量が可能な薬剤です。

 

※作用機序は?
インクレチンであるGLP-1は、食事中の栄養素が刺激となって腸から分泌され、血管を通って膵臓に運ばれます。そこでGLP-1の受容体に結合し血糖が高い場合にはインスリン分泌を亢進、さらにグルカゴンの分泌を抑えることで血糖を下げるという作用をもったホルモンです。しかし通常はDPP-4という酵素によって速やかに分解されてしまうので作用が長時間続きません。スイニーをはじめとするDPP-4阻害薬は、このDPP-4の働きを止めることで、GLP-1の働きを長持ちさせることができるお薬です。スイニーは、DPP-4だけを阻害する性質を有し、高選択性のDPP-4阻害薬となります。
日本人の場合、夕食で摂るカロリーが多くなることから、食後の血糖も夕食後が高くなりがちです。スイニーは夕食時に服用することで、食事に伴って分泌されるGLP-1の分解を強力に抑え、夕食後の血糖上昇を抑制することはもちろん、夜間から早朝にかけてグルカゴンの過剰分泌も抑えてくれることが期待される理にかなったDPP-4阻害薬と言えます。

 

内服する上での注意点
DPP-4阻害薬に共通の注意点として、SU薬などのインスリンを介して血糖を下げるお薬と併用する場合は低血糖に注意が必要で、α-グルコシダーゼ阻害薬も一緒に服用している場合には、ブドウ糖を必ず携帯するようにしてください。
重い腎障害のある場合でもスイニーは使用可能ですが、1日1回にするなどの慎重な投与が必要になります。重い肝障害のある場合でも禁忌ではなく投与が可能で、類薬の添付文書に記載のある処方開始1年間の定期的肝機能検査はスイニーの添付文書には記載がありません。

 

特徴:糖尿病になると血管が脆くなり、動脈硬化性疾患のリスクが高まります。動脈硬化を防ぐにはLDL-cをできるだけ下げておくことが重要になります。LDL-cを強力に下げることができるお薬として、スタチン系の高脂質血症治療薬があります。しかし、スタチン系薬剤には血糖を少し上昇させてしまうものがあり注意が必要です。スイニーは血糖低下作用に加えて、LDL-cを下げるということが分っています。その成績(薬理と治療 2012年 40巻9号p. 771 –784)をみると、飲み始めから半年ぐらいでゆっくりとLDL-cが下がっています。決して強い作用ではありませんが、他のDPP-4阻害薬に比較するとしっかりとしたものだという感触をもっています。LDL-c低下作用のメカニズムの詳細は明らかではありませんが、腸におけるコレステロールの吸収過程あるいは肝における脂質合成系への影響について研究(2013 ICDM&5th AASD学会)が進んでいます。少しLDL-cを下げたいが、スタチン系薬剤の使用に制限がある場合、スタチン系薬剤を使ったが、LDL-cの下がりが今一歩のときに重宝するDPP-4阻害薬だと言えるでしょう。

 

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