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DPP4阻害剤DPP4 inhibitor

DPP4阻害剤は、季節変動を抑えることができます。

 

World J Diabetes. 2012 June 15; 3(6): 118-122.
Published online 2012 June 15. doi: 10.4239/wjd.v3.i6.118.
Copyright©2012 Baishideng Publishing Group Co., Limited. All rights reserved.
Sitagliptin counteracts seasonal fluctuation of glycemic control
Tomohiro Matsuhashi, Motoaki Sano, Keiichi Fukuda, Shun Kohsaka and Yoshihiko Suzuki.

 

DPP4阻害剤を内服すると、12月から2月までにかけての、年末年始にかけて、運動不足や過食による血糖上昇を抑えることができます。それは、主にインクレチンの食欲中枢抑制効果によるものであり、この特徴は、他の糖尿病治療薬にはない、独特の特徴と言えることでしょう。したがって、年末年始にむけて、DPP4阻害剤を処方したり、用量を増加したり、あるいは、GLP1受容体作動薬を利用したり、ビデュリオンのような注射製剤を利用したりすることは、過食傾向を抑制するには、非常に重要なことではないか、と考えます。

 

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糖尿病では胃排出速度が亢進しています。それを抑えるのがインクレチン製剤、特にDPP4阻害剤です。
MEDICAL

 

参考となるPowerPointスライドは、ここをクリックして、ダウンロードしてください。

 

1990年当時、つまり、昔、昔は、糖尿病性の胃排出能が亢進しているか、については、2つの異なる学説がありました。ひとつは、亢進しているとする学説。実は、当時は、この学説のほうが、マイナーでした。もうひとつは、胃排出の速度は低下しているという学説です。これは、主に、消化器内科の先生たちが、当時、最新式の測定器だった、胃のシンチグラムをもちいて、証明されておりました。しかし、実臨床では、どのような患者が、胃排出が亢進し、どのような患者が、胃排出が低下しているかを、明確にわけて、議論した論文はなく、それは、世界中でも、誰も着眼していなかったテーマであったわけです。

 

そこで、私は、その違いは、糖尿病性神経障害の重症度によって、分けられるだろうという仮説をたてました。それを証明するために、ここに示しました研究を、平成2年に、行いました。今から、23年も前の研究です。内容は、NIDDM 男性50名、女性33名、計83名 54+10 歳罹病期間8.1+3.8 歳, 網膜症20名を対象としました。彼らに、アセトアミノフェン法 〔原沢らの方法を改変) 米180g, 味噌汁180ml, 生卵1個,混合食 アセトアミノフェン1.5g を、米にまぶし食後45分後の血中アセトアミノフェン濃度を測定しました。そして、神経障害の程度は、末梢神経障害があるかどうか、自律神経障害があるかどうか、で分けることにしました。

 

末梢神経障害:t−MCV 40m/sec未満、を、末梢神経障害が、ありとしました。自律神経障害は、:起立時sBP降下30mmHg以上であり、かつHR増加15/分以下の患者を、自律神経障害がありと、定義しました。こうして、ここに示した、DM1, DM2, DM3の3群に分類しました。通常、DM1群は、神経障害のない群です。DM3群は、末梢神経障害もあり、自律神経障害もある群です。なので、DM1, DM2群は、比較的、軽症の症例であり、DM3群は、神経障害の重症の症例ということになります。

 

すると、まず、神経障害の軽症の、DM1と、DM2群に、胃排出能が亢進している様子が見えます。逆に、神経障害が低下しているDM3群では、胃排出は低下していました。

 

 

 

左には、健常人の胃排出能を示しましたが、健常人でも、若い時は、胃排出能は亢進しています。加齢と友に、胃排出が低下し、30歳代、40歳代との胃排出能と、、50歳代や60歳代の胃排出能は、あきらかに、年をとったほうが低下してくるはずなのです。お年寄りになると、なかなか、小食になり、食事が進まなくなるというのは、日常、よく経験する現象です。さて、糖尿病の患者は、というと、50歳代、60歳代が多いにもかかわらず、神経障害が軽症の症例では、半数が胃排出が亢進傾向を認めました。さらに、興味深いことに、これらの患者は、食事療法などで血糖コントロールをすると、さらに、胃排出が亢進する傾向をも、認めました。これは、糖尿病と診断され、食事療法を始めると、とたんに、お腹がすいて、たまらなくなるという現象を反映しています。つまり、糖尿病と診断された時に、食事療法を進めても、なかなか、遵守しにくい、ということの背景原因を説明してくれるデータにもなっております。この論文の詳細は、1990年の雑誌、糖尿病で、より詳しくかいてありますので、ぜひ、お読みください。

 

糖尿病治療は発展し、最近では、血糖コントロールが良い患者が増えてきたため、自律神経障害が強い、重症の患者をみることは、少なくなってきました。ですから、多くの、患者は、先のスライドでいうと、DM1あるいは、DM2の、末梢神経障害があるが、自律神経障害があるとはまではいえない程度の患者が多く増えてきたと考えられます。そうすると、どういう患者が増えているのか、このスライドで説明してみましょう。まず、青い色のカーブがでてきます。これは、正常の人の、胃排出を表した血液中のアセトアミノフェン濃度の推移カーブを表しています。

 

 

 

あくまで、イメージですから、細かいデータや数値については、下にある原著をお読みください。さて、では、外来での糖尿病患者の胃排出はどうなっているでしょうか? この赤で示したカーブが、私が、想像する多くの、糖尿病患者の、胃排出カーブ曲線です。胃排出が亢進しているため、胃にはいった食物は、どんどん、速い速度で、小腸へ、移動します。小腸上部で、ブドウ糖は吸収されますから、当然、食後の高血糖を起こしやすくなります。2型糖尿病の特徴は、食後高血糖であるという学説は、この10年以上も前から議論されていましたが、その背景には、この胃排出亢進というメカニズムがあるという証拠を示した講演は、私は、聞いたことがありませんでした。ですが、胃の排出速度が亢進していれば、食後高血糖は、容易に推測できる現象です。ですから、他の薬剤、例えば、グリニド製剤や、超速効型インスリン製剤で、食後高血糖を抑えようとする前に、まず、インクレチン治療をもちいて、胃排出速度を低下させてしまえば、食後高血糖はもともと、おこらず、糖尿病の本来の病態といわれる糖毒性も、おこしえなかったはずです。

 

こうした、誰が考えても、当たり前のことが、長いこと、議論されてこなかったのは、不思議です。それだけに、インクレチン治療の登場は、こうした糖尿病の成因の本質論を考えさせてくれるわけです。さて、DPP4阻害薬を投与すると、おそらく、このように、胃排出は正常になるのでしょう。ただし、このように、自律神経障害が進行してしまっていて、胃排出能が本来、低下してしまっている患者にとっては、インクレチン治療は、効果を示さないかもしれません。もともと、胃の排出が低下しているのですから、効果が減ってしまうのです。ですから、例えば、バイエッタ、リキスミア、ビデュリオンなどを処方して、効果がないような患者に対しては、もしかしたら、自律神経障害が潜在しているという可能性を考えておかなくてはなりません。GLP1受容体作動薬、例えば、リキスミアを投与すると、胃の排出の速度は、この図の茶色の図のようになります。低下します。よって、胃から小腸への食物が、ゆっくり伝達されるようになり、食後高血糖が、より抑制されやすくなるわけです。

 

また、別の機会に、お話をしますが、GLP-1タキフィラキシーという用語が、最近、注目されるようになりました。その現象は、実は、GLP1受容体作動薬を開始してから、しだいに、胃排出の抑制機能が、弱まってしまうことをさしていいます。PowerPointの図でいれば、もともとの、茶色のカーブのように、胃の排出を抑えていたのが、このスライドのように、通常の胃排出に戻ってきてしまうわけなのです。

 

 

 

 

同時に、この時期には、GLP1受容体作動薬の副作用といわれる、悪心、嘔吐は、消えます。一見、患者さんは、楽になるように感じるのですが、日本の場合では、ビクトーザに、この特徴が強い傾向があります。ビクトーザは、残念ながら、2014年までは、SU剤としか併用できませんでした。SU剤は、インスリンを分泌させて、低血糖を起こしやすく、腹が減りやすくなりやすくする薬剤です。ですから、ビクトーザと、アマリールとの併用は、胃排出能がもとにもどりながらも、どんどん、空腹感をましてしまいます。最終的には、せっかく、食欲が低下した効果を帳消しにしてしまうことが少なくはありません。したがって、ビクトーザは、GLP-1タキフィラキシーによって、HbA1cは、ふたたび、再上昇しはじめて、もとのレベルにもどってしまいやすいのです。かつ、例えば、朝、ビクトーザを注射すると、就寝前に、異様な空腹感を感じなくてはいけない、というような事態に陥りやすくなります。もし、そこで、なにか、食べてしまうと、当然、高血糖になります。ビクトーザは、昔は、インスリンとの併用ができませんから、当然、就寝前や夜間に高血糖が続いても、それを、さげる術はありませんでした。私は、あえて、その部分をさげるべく、一度、アマリールの内服を、朝から夕方にもってきて、患者さんに試してみたことがあります。たしかに、1ヶ月は効果がでて、HbA1cは、さがりましたが、残念ながら、その効果は、2ヶ月はもちませんでした。よって、GLP-1タキフィラキシーは、一度、おきてしまうと、なかなか、コントロールが難しい問題なのです。さらに、日本の場合には、ビクトーザは、アメリカの最大投与量の、1.8mgまで注射をすることができません。0.9mgまでしか、投与できないのです。これが、この問題を、複雑にしてしまっています。よって、ビクトーザは、とても処方しにくい薬剤となり、実際、多くの、糖尿病専門医がGLP1受容体作動薬に対する期待を、裏切ってしまうような形になってしまったわけです。そのため2013年までの日本では、GLP1受容体作動薬の代表は、リキスミア、と、ビデュリオン、との、2つに別れていくのではないだろうか、と、私は考えていました。

 

ところが、ビクトーザは、2014年から、すべての糖尿病治療薬との併用が可能になってきました。そうなると、上記の話は、昔話になりました。ビクトーザとインスリンとの併用も可能になりました。それによって、ビクトーザの処方は、非常に、格段に、処方しやすくなりました。

 

胃排出速度の亢進に伴っておこるとされてきた、様々な現象をここで、簡単に、アイテムとして、確認してみます。食後高血糖がおこり、酸化ストレスがおこり、それが、心臓血管イベントを増やすという話で、話題になったことは記憶にあたらしいものと思います。それを、防ぐために、グリニド製剤、超速効型インスリン製剤、αグルコシダーゼ阻害剤などが、糖毒性をとる、という目的で、処方されてきました。しかし、これらの、3つの薬剤の中で、あきらかに、心臓血管イベント抑制の効果を示し得たのは、αグルコシダーゼ阻害剤、だけでした。これは、食後高血糖の不思議、とされ、長らく原因が不明とされてきました。それに対して、私たちは、αグルコシダーゼ阻害剤は、大腸内で、水素ガスを発生し、そのガスが抗酸化作用を有することによって、心臓血管イベントを抑制しうるのではないだろうか、という仮説を、FEBS Letterに発表しました。今では、かなり、この学説は、普及してきているようです。ですから、今後、リキスミアなどの普及が広まってきた時、今は、SU, メトフォルミン、あるいは、インスリンとの併用しか、認められていませんが、実は、αグルコシダーゼ阻害剤との併用が認められれば、より、心臓血管イベント抑制の効果が顕著に認められるのではないだろうか、と、筆者たちは考えております。

 

こうした、治療を行っていると、糖尿病という病気の、成因論まで、考えさせられることがあります。もともと、糖尿病が加齢によって、胃の排出速度が低下しないことを、特徴とする疾患かもしれないと、考えてしまうわけです。確かに、その背景には、生活習慣の他にも、体質的に、GLP1が低下しやすい体質があったかのもしれないのは、間違いはありません。糖尿病は、母系に遺伝しやすい、ということは、良く知られた事実ですが、母親の食生活のほうが、家庭の中を、暴飲暴食にしてしまいやすくなり、ます。ですから、大食いの、食生活が糖尿病を誘発することは、確かに、あります。しかし、そうでない場合も、あるということを、思い出させてくれるのです。ここに示したように、糖尿病患者の中には大食いだから糖尿病になったのではなく、糖尿病だから、大食いになってしまった、とう患者さんが、いるのではないでしょうか?つまり、そういう人は、もともと、GLP-1濃度が、あがりにくい体質をもった人です。そういう人が、GLP-1濃度が低いために、食欲中枢を抑えきれなくて、食欲がでてしまって、暴飲暴食になってしまう。その結果、糖尿病を発症してしまう、という事態です。このようなケースは、もともと、糖尿病になりやすい体質をもっていたから、大食いになったと言えるでしょう。そうした患者に対しては、GLP1受容体作動薬を投与するということは、もともとの、根本的な原因から、断ち切るということを、してあげるということになります。つまり、根本治療を行うということになります。近年、SGLT2阻害剤が話題となりますが、今度は、インクレチン治療が先か、SGLT2阻害剤治療が先か、という議論が、持ち上がることでしょう。SGLT2阻害剤は、とても、切れ味がいい薬剤です。しかし、食欲中枢を抑制するという効果はありません。もし、SGLT2阻害剤だけを処方していたら、どんどん、食欲は亢進してしまい、いくら食べても、血糖値があがらないという状態を作るかもしれません。それが、望ましいか、どうか、の議論は別にして、そうなると、人間としての節制を忘れてしまう患者さんも、でてくることでしょう。そういう場合、リキスミアのような治療があるということは、糖尿病の基本にもどって、治療を行えるという意味において、とても重要な意義をもつと私は考えます。

 

ACCORD試験では、頻回インスリン療法が、2型糖尿病に望ましくなく、死因の原因になることを示しただけでなく、神経障害のある人が、さらに、死因の原因になることを示唆しました。その明確な理由は説明されていません。しかし、先ほど、私が示してスライドを思いおこしていただくと、その理由は、あきらかです。胃から小腸への排出が不安定な、自律神経障害患者に、強化インスリン療法を行うと、何時、食物が小腸に届くか、わからないのに、その間に、インスリンが効いてしまって、低血糖を起こしやすいのです。食後なのに、低血糖を起こしてしまうということが頻繁におこることでしょう。したがって、同じことが、リキスミアの処方においても、注意しなくてはいけないことだと、私は思います。もともと、胃排出能が低下している患者に、リキスミアを投与しても、効果が薄いだけでなく、インスリンやアマリールがおこす低血糖の危険を増してしまうだけになるかもしれません。ですから、私の外来では、リキスミアを処方する時には、この、「胃排出能」という概念を、丁寧に、患者に説明し、自律神経障害が強いような患者や、高齢者には、なるべく、処方しないようにと注意しています。

 

このように、胃排出低下している自律神経障害のある患者に対してのGLP1受容体作動薬導入は、注意が必要です。ブドウ糖を、かならず携帯しているか、だけの注意だけでは、もの足りません。もし、低血糖を起こしたら、まず、今、行っている活動をとめて、すぐに、ブドウ糖を補給し、右腹を下にして、横になるように、と指導する必要があると、考えます。

 

配分食で低血糖を予防し、HbA1cを世界最高レベルまで低下させることができた事象を報告。

A New Preventive Strategy for Hypoglycemia Incorporating Added Food Diet in Patients with Type 2 Diabetes Who Received Sitagliptin Therapy

 

低血糖がおこしやすい午前10時と、午後3時に、配分食をとるように指導し、低血糖はできるだけ、起こさないようにし、SU剤やインスリン用量をさほど変えずに、血糖コントロールを試みた結果、HbA1cは、外来平均で 6.5%周囲まで低下させることができました。もともと、HbA1cがよい患者さん、HbA1cが6.9%以下の患者さんたちにおいては、DPP4阻害剤の応用を追加しただけで、HbA1cは6%前後にまで低下できました。

なお、この論文は、2012年の論文で、まだ、SGLT2阻害剤が発売される前でした。SGLT2阻害剤が発売された2014年からは、さらに、このレベルから、0.5%の低下を示した患者さんたちも少なくはなく、とうとう、外来のHbA1cは6.3%以下が普通。5%台も、まんざら夢ではない、という時代に、さしかかってきています。

 

なお、この論文を入手するためには、ここをクリックしてください。有料になりますが、ダウンロードできます。

 

 

臨床治験ではHbA1cは−0.6%でも、実臨床では、1.2%も、HbA1cを下げられます。
MEDICAL

 インスリン製剤とDPP4阻害剤との併用試験が、各薬剤で、行われています。その場合、他に併用できる薬剤は、なしか、1剤が普通です。そうすると、HbA1cは、0.6%しか、低下しません。ところが、当院(HDCアトラスクリニック)では、血糖降下剤を有効に多剤併用することで、1.2%の低下を確認しうることが分かりました。このように、実臨床では、治験よりも、はるかに良い成績をだすことができます。

 

 

 

シタグリプチンと、ランタスインスリンで、GLP1ータキシフィラキシーを克服できる。
MEDICAL

 ビクトーザとSU剤とを併用した時には、GLP1ータキフィラキシーがおこりやすく、リバウンドがおこしやすいことが知られています。それに対して、シタグリプチンと、ランタスインスリンとの併用で、その悪影響を消去できることが、証明できました。これは、GLP1受容体作動薬がいいのか、DPP4阻害剤とインスリンとの併用がいいのか、を考える時に、非常に重要な論文になるはずです。

 また、これまでの各メーカーが提供している臨床試験の成績より、当院での臨床成績は、HbA1cの低下速度の速さ、確実さ、などを考えると、はるかに、上手にHbA1cをさげてきています。英語の論文なので、読みにくいかもしれませんが、こうした地道なデータの集積が、当院での臨床データを、着々と理論づけて、正確で、確実な血糖コントロールの改良に薬だっているわけです。(資料をお読みいただく場合には、ここをダウンロードしてください。)。なお、現在、シタグリプチン以外のDPP4阻害剤も、インスリンとの併用試験が、臨床試験として行われています。その場合、どのインスリンと、どのDPP4阻害剤との組み合わせがベストなのかは、今後の検討を必要とされるところです。

 

 

ED治療薬の購入量も大幅に減少した。
Improvement of ED

 

2010年における臨床試験を終了し、その後、DPP4阻害剤と、αグルコシダーゼ阻害剤との併用が可能になり、臨床成績はさらに向上した。新患をのぞいて、当院に通院し1年以上の内服治療をうけている患者の、おおよそ半数の患者ではHbA1c5%台は普通と思える糖尿病専門外来を構築でき継続できている。ただし、この間、クリニックを訪問する新患人数が大幅に伸びた。新患のHbA1cは8%以上と極めて高い症例が多い。よって新患人数を含めると外来の平均は5%台にはなりえないが、おおよそ1年の歳月をかけるとHbA1cは5%台にまで落とす事は普通であった。
 そして治療を1年間、行っていたら、ある日、製薬企業(バイエル薬品)のMR担当者が訪問し、HDCアトラスクリニックのPDE5阻害剤治療薬が激減している理由を質問され、MR担当者から質問を受けた時、筆者は初めて外来の処方動向が変わった事を知った。他にも従来、HbA1cが8%以上であった患者が5%台になると、ED治療薬を希望しなくなる傾向は顕著に認められた。外来での、「医師と患者との会話」の中で、この話題をとりあげる機会が減少したのは明らかだった。なお、その代表的な症例として、EDが改善して、不妊が改善し第1子を授かる事ができた症例を筆者は書籍の中で報告している。

 

 

 

DPP4阻害剤の製剤比較は?
Comparison of DPP4 inhibitors

 

 

DPP4阻害剤は、半年くらいでHbA1cが上がってきますが、SGLT2阻害剤は油断があるとあがります。
MEDICAL

 DPP4阻害剤は、しっかり食事療法を遵守していても、食欲抑制作用が半年くらいで、鈍ってくることで、HbA1cがあがってきます。ところが、SGLT2阻害剤では、油断して過食傾向にさへならなければ、HbA1cは、あがってきません。この差は、今度、糖尿病治療における大きな違いになると考えられます。

 

眼底出血が改善した症例
MEDICAL

症例:67歳。男性。
他院にて、HbA1c8%前後のままの治療を継続されていた。すると、黄斑部に眼底出血が散在し、前増殖性網膜症(片眼は要:硝子体手術)であり、かつ、失明の危険があると言われて、慌てて、HDCアトラスクリニックを検索し当院に来院した2型糖尿病患者である。眼底出血が黄斑部周辺に散在しているので、急激な血糖コントロールは眼底出血の危険を増やす可能性があることから、DPP4阻害剤、メトホルミンなどを中心とした治療から開始し、約8ヶ月かけて、HbA1cを7.9%(初診時)からHbA1c5.6%まで、ゆっくり落としていった。(当初はビルダグリプチン、アマリールを組み合わせたが、HbA1cが6%前後になると、ビルダグリプチンからシタグリプチンに切り替え、メトホルミンを追加した。保険適応上でのDPP4阻害剤の変更である。)2011年10月、現在のHbA1cは5%台である。HbA1c5.9%。HbA1c5.6%からは多少、リバウンドし、本人も反省している。

 その結果、黄斑部周囲にあったはずの小出血や白斑は消失した。患者は、HbA1cの下がりかたがあまりにもゆっくりなのに、途中でいらだちを覚えたが、急激な血糖コントロールは眼底出血を惹起させる危険がある事を繰り返し繰り返し教育し、ゆっくりシタグリプチンを中心とした内服製剤でHbA1cをさげていった。その結果、最近では、HbA1c5%台が普通になって、眼底出血が消えた所見を診察した眼科医師からは、「このHbA1cを維持していけば眼底出血の再発の心配はないだろう」と告げられたという。

 わざわざ新幹線をつかって通院しても、HbA1cが5%台になれば、従来の通院していた病院でのシステムと比較し、メリットのほうが、デメリットを上まっていると考えてくれて、毎月の通院は欠かしてはいない。メトホルミンの服用は自分で、上手に調節しており、朝メトグルコ3錠、昼3錠で1日6錠の日と、また、朝メトグルコ3錠、昼3錠、夕方3錠、1日9錠の日をわけており、夕食時に、どうしても断れない接待などがある日は、1日6錠にしているという。

DPP4阻害剤とαグルコシダーゼ阻害剤は相乗作用がある。
Msynergic effect of DPP4 inhibitor and alpha-glucoseidase inhibitor

 

 αグルコシダーゼ阻害剤を内服すると、小腸上部のK細胞から分泌されるGIPは減少し、小腸下部のL細胞から分泌されるGLP-1は増加することが知られています。このことは。α-グルコシダーゼ阻害薬もインクレチン関連薬でありますが、ただし、「GIP抑制剤&GLP1亢進剤」という作用を持ちます。つまり、αグルコシダーゼ阻害剤は、DPP4阻害薬とは、異なる特性をもつ、インクレチン関連薬である、ことを示しています。もちろん、DPP4阻害薬は「GIP亢進剤&GLP1亢進剤」です。
  α-グルコシダーゼ阻害薬との併用では、α-グルコシダーゼ阻害薬による食後1~2時間でGLP-1分泌の増強に、DPP-4阻害薬による分解抑制作用が加わるだろうと考えられます。
  一方、高血糖状態では正常耐糖能と比較してGLP-1では60~70%程度に、GIPではほぼ正常か、あるいは、やや低下、例えば10~20%程度、減弱していることが報告されています。したがって、比較的保持されているGLP-1がインスリン追加分泌促進の中心となって、さらなる高血糖にさせまいと、インスリンが分泌されているのです。そこに、αグルコシダーゼ阻害剤を追加する、たとえ軽度に減弱していたところのGIP作用がさらに減弱しても、減弱していたGLP-1作用が逆転し、増強すれば、膵作用は維持~増強することが期待されるわけです。
  一方、膵外作用について考えると、食欲抑制などを介した体重減少作用は、GLP1シグナルを抑制することでやや減少が増強し、αグルコシダーゼ阻害剤が大腸で発生させる水素ガスの抗酸化作用によって心血管保護作用を有すると考えられます。したがって、インクレチン関連薬剤とαグルコシダーゼ阻害剤との併用は、体重を減らしやすくし、心臓血管イベントを減少せしめるという機序をもたらすものになり、望ましい組み合わせになるはずです。
 また、糖尿病患者にα-グルコシダーゼ阻害薬を使うことで、血中アディポネクチン値が上昇することも報告されているが、それによって、インスリン抵抗性の改善が期待できるかどうかは、今後の課題です。
 なお、DPP4阻害薬とαグルコシダーゼ阻害剤とを組み合わせる時、αグルコシダーゼ阻害剤の中でも、3種類あるαグルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ミグリトール、ボグリボース)のどれが最も組み合わせとして優れているのかについての議論は必要ですが、私の場合には、理論と現実という問題で2点で考えます。理論的には1時間値を強くさげるミグリトールが優れているはずです。
  特にインクレチン製剤で便秘になりがちなら、αグルコシダーゼ阻害剤の中では下痢にしがちなミグリトールを併用します。もし、インクレチン製剤で下痢になりがちなら、αグルコシダーゼ阻害剤の中では便秘になりがちなベイスンやグルコバイなどを併用します。そうすることによって、便通が普通になることがあるからです。一般に高血糖になると便秘になる患者さんが多いため、結局は、ミグリトール(商品名:セイブル)を処方することが増えることになります。

 

地球温暖化がインクレチン効果を消してしまう。
incovenience truth of diabetes treatment

 気候の変化が熱中症を増加させる事は広く知られている。しかし糖尿病あるいは血糖コントロールに対して、どのような影響を及ぼすかを検討した論文は少ない。入院頻度が高まり、脱水が増え、電解質異常が起こり、死亡率が高まる事は既に報告されているが、私たちは、シタグリプチンを投与している最中に、猛暑を迎えた患者のHbA1cは、かえって上昇する事を証明した。2010年6月下旬には通院をしており、7月21日の段階で、シタグリプチンを内服している2型糖尿病患者58名(男性 44名、女性 14名、平均年齢 62.5±10.5歳)を対象とし、HbA1cの推移を調べた結果です。この時期にシタグリプチンを開始すれば、あたかも、DPP4阻害剤が無効のように見えてしまうかもしれません。したがって、論文名を、糖尿病新薬の効果が見えなくなった「不都合な真実」とつけました。この猛暑の時期を挟んで、臨床研究を開始したり、臨床成績を整理する場合、この悪影響を除外しなければならないでしょう。あたかもDPP4阻害剤が無効に思えてしまうからです。 この内容については、論文にして整理しております。必要であれば、ここをクリックして、参照されてみてください。

 

 

当院では、こうした過去の臨床成績をもとに、毎年、平均気温が30度、最高気温が35度を超える頃には、外出して運動をすることは、かえって血糖値をあげるので、患者さんたちには、お薦めしない事にしています。

 

 

体重を増やしたいという患者に対しては?
how to increase body weight by oral hypoglycemic agents

 糖尿病患者の中には、体重を減らしたい人ばかりではありません。高血糖で体重がやせすぎて、特に女性では、しわがきになって、体重を増やしたいという人もおられます。そういう場合には、DPP4阻害剤に加えて、SU剤を追加します。SU剤単独の場合もあります。それで、血糖コントロールができない、体重が増えないという場合には、ピオグリタゾンを処方します。
 なぜ、ピオグリタゾンを最初に使わないか、というと、かなり浮腫がおこってしまう場合があることや、血糖コントロールのキレが、SU剤ほどではないことなどが、あげられます。
 なお、体重が減っている患者の場合、本来、やせたくてやせているという場合ではありません。他の病気が潜んでいることもあります。拒食症の既往があったり、胃下垂だったり、甲状腺機能亢進症だったり、と他の疾患を疑う必要があります。外来にて、まず、甲状腺機能は採血で調べることができます。胃下垂は、バリウムの胃透視検査を行い、診断をつけることができるでしょう。
 SU剤の中でも、体重が増える薬剤と増えない薬剤があります。最もよく処方される薬剤は、アマリールという薬剤ですが、この薬では体重は増えません。それに対して、オイグルコンという薬剤を内服すると、体重は増えます。その理由は、朝に食事をすると、例えば昼前に、異常な空腹感を感じることが多いから、過食をしやすくなるからです。

 

GLP-1受容体作動薬とDPP4阻害剤の使い分けの判断は?
MEDICAL

 

 いろんな要素を鑑みながら糖尿病専門医が判断するでしょう。まず注射を好まない人はDPP4阻害剤がまず優先されるでしょう。HbA1cが,元々,7%から6.5%前後であれば,DPP4阻害剤を開始して様子をみて,HbA1cが5.8%以下になるかどうかを観察します。逆に,HbA1cが8%から9%前後であれば,DPP4阻害剤を優先するかは,緊密に連絡がとりあえる医師・患者関係であれば大丈夫でしょうが,そうでなければ危険です。そうした高血糖の患者さんに対してはDPP4阻害剤を漫然と処方していてはいけません。もし、患者さんに注射に対する抵抗がもしなければ,GLP-1受容体作動薬に切り替えるべきでしょう。選択(チョイス)をするのは、患者さん側ということもあるでしょう。インスリン注射と違って、GLP1受容体作動薬は、一生、注射しなくてもよいかもしれないし、もし、成功しなければ、元に戻せばよい、という安心感があるため、「試しに注射してみる」というつもりで、始められる患者さんもおります。
 ただし,これは個人差がある判断になります。あくまで外来で患者さんの状態を診察させていただきながら,決断する医師の判断を,患者さんがどう受け止めるかにかかってきます。
 もし、低血糖をぜひとも回避したい一般開業医や糖尿病の非専門医の医療機関であれば、まず最初は、低血糖を起こさない内服薬5剤の組み合わせが安全で、望ましいと考えます。例えば、最初は、DPP4阻害剤の内服薬から開始で問題ないと考えます。次がSGLT2阻害剤というのも、望ましい選択でしょう。
 DPP4阻害剤の他に,GLP1を増やすのはメトフォルミンやαグルコシダーゼ阻害剤などもあり,それらを活用しGLP1の作用を特に引き出しておきます。もしDPP4阻害剤,メトフォルミン,αグルコシダーゼ阻害剤の3つでも効果がない場合には,膀胱癌や骨粗鬆症のリスクも話をした上で、ピオグリタゾンを勧めます。SGLT2阻害剤を加えると、これだけで5剤の選択肢があることになります。

 どうしても低血糖を回避するためには、この5剤でも効果がないなら、GLP-1受容体作動薬を始めるのが望ましいと考えます。ちなみに,この5つの組み合わせを,どのように行っても,さほど重篤な低血糖は起こしません。ですから2型糖尿病と診断された初期段階からの開始が望まれます。40歳台で、健診などで始めて糖尿病と診断されたばかりの、肥満を伴い、暴飲暴食などが原因の糖尿病患者の場合には、まず、この5剤の治療と、食事療法、運動療法を加えて、7つの治療を開始すれば、十分でしょう。
 また、もし、すでに、インスリン療法、SU剤治療などをうけており、低血糖に対する対策や対処法が、十二分に理解している患者に対しては、全く異なるアプローチをすることがあります。DPP4阻害剤に、切れ味のいいSU剤を併用させます。それでも、HbA1cがさがらなければ、メトフォルミン、αグルコシダーゼ阻害剤、ピオグリタゾンの増量を積極的に行っていくべきでしょう。それでも、血糖コントロールが得られなければ、DPP4阻害剤を中止して、GLP1受容体作動薬を開始してみると改善する場合があります。
 糖尿病に詳しくない、開業医や糖尿病非専門医であれば、SU剤を投与する前後くらいのタイミングで、糖尿病専門医へ紹介していただければ、この段階療法は、難しい治療ではありません。どうしても、これらの治療で血糖コントロールが成功しない場合にのみ、インスリン療法を上乗せしていく必要があるでしょう。なお、インスリン注射を始める場合には、GLP1受容体作動薬と併用する場合とDPP4阻害剤と併用する場合があります。

 

 

DPP4阻害剤は、半年くらいで一度、HbA1cが、踊り場になる事が多い。
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SU剤とDPP4阻害剤、特に、シタグリプチンを追加服薬する場合についての、日本人における臨床試験は、我々の報告している成績が最初になって論文としても公開した。

  1.  結論としては、DPP4阻害剤とSU剤との併用したら、血糖コントロールがよければよいほど、体重は増えてくる。シタグリプチンの場合には、HDCアトラスクリニックの臨床成績では、半年で600gくらいの体重増加を認めている。ビルタグリプチンの臨床成績でも、グリメピリドとの併用で52週間の長期投与試験では1.5kgの体重増加を認めている。いずれにしても、DPP4阻害剤は単剤では、さほど、体重は増えない。しかし、SU剤と併用すれば、SU剤の作用としての体重増加は、打ち消せないというのが現実である。
  2. DPP4阻害剤とSU剤と併用したら、血糖コントロールは、3ヶ月で、ほぼHbA1cは下がる。シタグリプチンの場合には、ベースラインからの変化として、HbA1cは3ヶ月で0.5から0.8%くらい、さがる。ここに幅をもたせているのは、最初のHbA1cが高いほど、さがり幅が大きいからである。ビルタグリプチンの場合には、ベースラインからの変化としては、HbA1cは3ヶ月で1%くらい下がる。
  3.  シタグリプチンの場合には50mgで処方を開始するが、半年くらいで、HbA1cは、さげどまることがある。3ヶ月から半年までの間に、HbA1cがさげどまった場合、筆者は患者に対して、HbA1cは「踊り場」に入ったと表現して理解してもらっている。

 そうした踊り場にある時に、シタグリプチンは、50mgを100mgに増量する。すると、HbA1cは、さらに降下を示し、臨床治験でも、その変化はきれいな曲線として証明されている。合計で、100mgまで増量することで、ビルタグリプチンと同じレベルまでのHbA1cの低下効果は期待できる。

 

DPP4阻害剤で、HDLコレステロールがさがる? でも季節変動かも。。
DPP4阻害剤とHDLコレステロール

 当院では、従来の糖尿病治療に対する薬物治療を行っていて、そこに、シタグリプチンを追加した場合、その半年後に脂質代謝がどうなったのか、を説明します。論文として報告しています。

 その結果、LDLコレステロール、中性脂肪には、有意な変化はなしでした。しかし、HDLコレステロールは、低下していました。しかも、層別解析すると、SU剤を服用していない場合と、SU剤を服用している場合とで、HDLコレステロールの変動は、違いました。SU剤を服用している患者の場合には、シタグリプチンを追加して服用すると、HDLコレステロールが低下していました。

 これは、SU剤を服用すると、低血糖を起こし、食事量が増えて、中性脂肪が増えて、その結果、HDLコレステロールが低下しやすくなっているのでしょう。あるいは、この経過観察の終了が夏だったから、HDLコレステロールが下がったのかもしれません。実は、この結果を知った時は不思議に思いましたが、実は、HDLコレステロールは冬が高くなり、夏に下がる傾向があります。ですから、たまたま、HDLコレステロールが下がる時期に、この臨床試験を終えたのが、その結果になったのかもしれません。

 しかし、もし、SU剤にDPP4阻害剤を追加して、HDLコレステロールが下がるようであれば、LDLコレステロールをさらにさげて、HDLコレステロールを高める薬剤、具体的には、スタチンなどとの併用が勧められます。

 

インクレチン製剤では、なぜ悪心が起こることがあるのか? 
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 GLP1は、特にGLP1注射薬を開始した後では、脳に作用する感覚と、胃に作用する感覚が、ふたつ自覚します。中枢神経系GLP1による影響と,末梢神経系GLP1による影響とを分けて考えなくてはいけません。
 GLP1が胃自体に作用する関与は,迷走神経刺激を興奮させる結果としての中枢神経系を介しての機序であるとされています。胃の蠕動運動を抑えますから,胃は張った感じが残ります。また,幽門部の収縮力を高める作用もあります。ですから,胃から,なかなか食物が落ちていかない,表現によっては,胃もたれ,という自覚症状が起こってくるわけです。胃の排出速度が低下するというのは、こういう現象を差します。
 食物が、胃に入ると、そこから十二指腸に移動し、小腸へと到達します。GLP1の濃度が増加すると、その動きが抑制されます。そのために、食物が小腸で吸収される速度が、ゆっくりになります。
 すると、食物が、胃の中に停留している時間が長くなり、その食物を溶かそうと胃酸が分泌されます。胃酸は増えますから、胃もたれが起こりやすくなります。それが、悪心や、嘔吐になることがあるのです。また、増えた胃酸が、逆流することで、逆流性食道炎が起こることがあります。

 DPP4阻害剤とメトフォルミンを併用することで、むかつきが起こる時には、メトフォルミンを中止することが多いです。

 また、もともと逆流性食道炎の既往がある患者さん、あるいは、胃を切除している患者さんには、DPP4阻害剤は、メリットよりも、デメリットのほうが多いと考えられるので、処方しないことが多いです。

 

GAD抗体陽性でも、インクレチンが著効した症例。
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30歳台、女性。かなり遠方から新幹線を使って来院している。来院時のHbA1cは8.9%。独身。料理は母が作っている。 ネットでみつけて、糖尿病専門医なので、いってみたら、と勧められて、遠方であるにもかかわらず通院。 GAD抗体は陽性であり、そのまま近所の病院に入院していたら、インスリン療法になっていただろうはずの女性であった。ただし、GAD抗体は4〜5の間であり、さほど高くはない。やせてもおらず、通常体格であることから、まだ、I型糖尿病にはならないだろうと予測し、シタグリプチン100mg、メトフォルミン1.5g、アマリール2mg、分2. を開始。もちろん食事指導を開始した。その結果、HbA1cは8.6%から、2ヶ月で5.7%まで低下した。眼底出血なし。低血糖なし。 この患者さんが一生、HbA1c5.5%以下でいられたら、膵臓β細胞の保護作用が効いていたのだろうと、実感できることだろう。

DPP4阻害剤でも、皮膚障害がでることがあります。
Skin Complication caused by DPPR4 in hibitors

 SGLT2阻害剤では皮膚障害が頻発することは、2014年5月頃から、イプラグリフロジン(商品名:スーグラ)の発売後、とたんに注目されました。ですから、多くの臨床家が経験していると思われます。それに対して、DPP4阻害剤では、皮膚障害の報告は、めずらしく、写真なども公開されておりません。

 当院では、DPP4阻害剤のシタグリプチンを内服後、発疹が発現した患者さんを1名だけ経験しております。稀な症例だと思うので、開示いたします。SGLT2阻害剤では、かなりの頻度でしたが、DPP4阻害剤は、この1名のみでしたので、その差は大きいものだと考えられます。ただ、DPP4阻害剤でも、皮膚障害が起こる確率は、完全にはゼロではありませんので、ご参考にされてください。

 

 

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ミトコンドリア遺伝子代表論文

核遺伝子との相関を発見
(世界初;Diabetes Care)

 

3264変異遺伝子を発見
(Diabetes Care)

 

 

指尖外SMBGを世界で最初に提案

 

Suzuki Y. Painless blood sampling for self blood glucose measurement: Lancet 339巻: 816-817頁, 1992年

 

他、Diabetes Care 1998

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